真空雰囲気下で加熱する装置は温度領域によりヒータ材質、温度制御センサ、容器構造および材質が異なります。
タイプによる分類
ヒータ材は、カーボン系(タイプI)とメタル系(タイプII)があります。カーボン系は低コストですが、微粉末が発生するのでクリーン度が要求される場合はメタル系のヒータを用います。 又、高温域でも比較的温度が低い高温域(2)ではヒータ材により低コストのカンタル線や炭化けい素材を使う場合もあります(タイプIII)。
超高温、高温(1)の領域では加熱域の温度が高いので**性の点から容器を2重構造の水冷ジャケット型(タイプI、II)にし、材質をステンレスにするケースが多くなります。
小型のものではタイプIII(管状炉)の形状も選択できます。 容器材質がアルミナ管や石英ガラス管で有効エリアが円筒形になります。
温度領域と構成
※1) Mo:モリブデン W:タングステン SiC:炭化けい素
超高温域では高温に加熱された領域にセンサを差し込んで温度を測定する事はできないので放射温度計を用います。高温域では700℃~1100℃(高温(2))の範囲ならばK型熱電対(アルメル-クロメル)で、1000℃~1500℃(高温(1))の範囲ではS,R,B型(白金-白金ロジューム合金)の熱電対を加熱域に差し込んで温度を測定します。
冷却方式には、自然冷却、ガス冷却、油冷却などの冷却方式があります。短時間で冷却したい場合冷却室を別に設けることも可能です。
真空炉の目的や圧力領域に合わせて真空ポンプの構成を選択します。クリーン度を要求される場合はドライポンプやドライポンプ+ターボ分子ポンプ or クライオポンプを選定します。
圧力領域(真空度)と真空ポンプ
※) 圧力(真空度)は容器内圧力で、真空ポンプ吸入口圧力より高くなるのは、配管の抵抗と容器内のガス発生による影響です。
装置内に処理材をセット後の真空排気、昇温、冷却、大気復圧の一連の工程を自動で行う場合(全自動運転)と、各工程を個別に操作するマニュアル運転を選択できます。
加熱温度の制御も加熱温度を指定するだけの場合や、設定温度や昇温時間を設定するプログラム制御などが選択できます。
温度制御はPID制御を用います。
**回路:ヒータの過昇温、冷却水不足、真空異常などを検出し、ヒータ停止、あるいは全停止します。
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